NV-SB1000W修理 第3回〜電源基盤〜映像基盤?

2008.12.1


1, 56μF 50Vのコンデンサを追加

電源基盤のコンデンサ交換の泣き所は、特殊容量のコンデンサが使われている事がある事です。56μFのコンデンサもその一つです。只でさえ特殊なのに、低ESRとなるとなおさら入手困難になります。
その為、(バブルデッキの)電源基盤のコンデンサの交換をやってる人でも全てのコンデンサの容量を元のコンデンサと合わせている人は皆無と言えます。

しかし、あえてそれに挑戦しました。何故かというと、以前メーカーでオーバーホールし、電源基盤も交換してもらい、メインで動いているNV-FS900の電源基盤もいずれコンデンサが劣化するからです。その時にはもう電源基盤はメーカーに残っていないでしょう。だから電源基盤のコンデンサを自分で交換しなければなりません。その為、入手できる方法を確立しなければならないのです。

さて、56μF低ESRのコンデンサですが、マルツパーツという店の通販サイトで入手できます。



はい。この通りです。箱から出した状態で、とりあえずこの容量この耐圧のは、ビデオデッキの電源基盤には結構使われているようなので、10個注文しました。送料合わせて1000円弱です。



プチプチから出すとこんな感じです。大きさは耐圧がやや大きい為か、少し大きめです。日本ケミコンKZEシリーズですから入手困難では無い筈なのですが扱ってる店は殆どありません。



古いものとの比較です。背は低いですが幅が太いです。まあ、電源基盤は空間に余裕がありますので問題はないです。



装着してから再びテストです。やっぱり、音は消えませんでした。が、元々スイッチング電源はこういう音を出すのかもしれないので、他のデッキ(NV-FS900やNV-BX25)等を開けてみて音を聞いてみようかと思います。
とりあえずはC6以外古いコンデンサが無くなったので一安心と言った所です。

前回も出しましたが、もう一度電源基盤のコンデンサのまとめと言う事で出します。

No容量(μF)電圧(V)新コンデンサの詳細備考
C55650日本ケミコンKZE:超低ESR品(1次側)
C6120250今回は交換せず(1次側)日本ケミコンKXJ(250V)、KXG(400V)シリーズに対応製品あり。
C810035ニチコンPW(M):低ESR品(1次側)50V品を購入
C16120010日本ケミコンKZE:超低ESR品16V品を購入
C173306.3日本ケミコンKZH:超低ESR、長寿命品25V品を購入
C18180016ニチコンHZ(M):超低ESR品コンデンサスレで、ニチコンの中でもっともいい(CPU周りにも使える)と言われているシリーズ。
C195650日本ケミコンKZE:超低ESR品
C2022010日本ケミコンKZH:超低ESR、長寿命品16V品を購入
C2122010日本ケミコンKZH:超低ESR、長寿命品16V品を購入
C2233016日本ケミコンKZH:超低ESR、長寿命品25V品を購入
C2410010東信工業UTWRZ:低ESR
C252225ニチコンPW(M):低ESR(1次側)50V品を購入

因みに56μF50Vは日本ケミコンKZMシリーズ(超低ESR、長寿命品:KZEやKZHシリーズより上級グレード)にもあります。あと蛇足ですが、NV-FS900の電源基盤にある27μF50VもKZMシリーズにあります。
いずれは、高リプル長寿命電源入力平滑用のKXJまたはKXGシリーズの120μF、を買ってC6も交換したいです。

2, VEP03B59の整備

画像は相変わらず乱れています。ヘッドかなぁ、と思っていますが、ヘッドと結論出したら終了になってしまうので、映像基盤を探す事にします。とはいえ、NV-FS2桁〜NV-BS30Sまでにあるような「HICが付いているいかにも映像関連の基盤」というものは存在しないようなので手当たり次第チェックする事にしました。まだ残っている病状は黒いノイズとTBC-ONにしたら暗くなる、という症状です。

とりあえず、このデッキもメイン基盤にサブ基盤がぶら下がっているという構造の為、サブ基盤をチェックする事にしました。



ここの基盤をまず抜き取ってみました。抜き取り方はNV-BX25やNV-BS30Sと同じなので説明は省略します。なお、隣の基盤と部品で繋げられているので分離するにはそれを抜き取っておく(または半田を除去した後に抜き取る)必要があります。



はい、この基盤です。名前はVEP03B59です。シールドケースがいかにも私がデジタルの処理をしています、といったアピールをしているように見えます。



因みにこちらは別の基盤。VEP04494です。シャーシに固定されていて、メイン基盤を起こそうとしてもこれに繋がっているケーブルが邪魔で起こせないので取り外し、ついでにチェックしてみました。これもシールドがしてあるのでTBCかと思ったのですが……。
見た目異常なし。コンデンサが噴いてるような痕も全く見られませんでした。よってこの基盤は何もせずに後で元の位置に戻しておきました。

で、VEP03B59に戻りまして、幾つかコンデンサを外してみたら、結構噴いていましたので、しっかり対策しておきます。

今回は低ESRではないので、秋葉原まで行ったり通販で買ったりする必要は無く、市内のパーツ屋で購入しました。
元のコンデンサが85℃標準品だったので、特に温度も指定せず85℃標準品で揃えました。

No容量(μF)電圧(V)新コンデンサの詳細備考
C24710日本ケミコンSMG85℃標準品2000時間
C41006.3日本ケミコンSMG85℃標準品2000時間:16V品を購入
C5476.3日本ケミコンSMG85℃標準品2000時間:16V品を購入
C74.725日本ケミコンSMG85℃標準品2000時間:50V品を購入
C10150日本ケミコンSMG85℃標準品2000時間
C1110016日本ケミコンSMG85℃標準品2000時間
C15150日本ケミコンSMG激しく噴いていた:85℃標準品2000時間
C163.350日本ケミコンSMG85℃標準品2000時間
C21150日本ケミコンSMG激しく噴いていた:85℃標準品2000時間
C23476.3日本ケミコンSMG85℃標準品2000時間:16V品を購入
C25476.3日本ケミコンSMG85℃標準品2000時間:16V品を購入
C282250日本ケミコンSMG小型品が無かった為標準品で代用
C343.325不明(※)小型品
C36150不明(※)小型品
C412206.3日本ケミコンSMG85℃標準品2000時間:16V品を購入
C422206.3日本ケミコンSMG85℃標準品2000時間:16V品を購入
(※)片方は完全にメーカー不明、もう片方は日本ケミコンのシリーズ不明の品です。どっちがどっちだったか忘れました(メモ取ってなかったので)。
因みに半分位噴いていました。特に激しかったのが1μF50Vって事で。



買ってきたコンデンサがコレ、メモと一緒にどうぞ。デジカメの画素数が低いのでピンボケになっていますが、殆どは日本ケミコンSMGシリーズです。
尚、○○Vを購入と上の表で書いていますが、一部忘れているのもあるので、もしかしたら一致しない(16Vと書いておきながら、実際は25Vを買った、等)のもあるかも(尤もそれでも元のより耐圧低いのはありませんが)。容量は合わせてあるので大丈夫です(笑)。



全てのコンデンサを取り除いたあと、一部張り替えた時の画像がコレです。実は手持ちに日本ケミコンKMGシリーズが幾つかありまして、容量が合うものをつけちゃったのです。
しかし……殆どのコンデンサがスルーホールについていたので、外すのに異常に苦労しました……。
やはり、シールドケースの内側にはICがありましたね。この基盤が映像基盤なのか!?TBCなのか!?期待は膨らみます。



全てのコンデンサを取り付け終わり、対策完了。シールドケース内には小型のコンデンサ2個と、通常タイプはケース内に収まるように倒して取り付けました。
また右半分は普通に取り付けると、隣の基盤と干渉するので、この様に倒して取り付けました。

これでメイン基盤に装着し、さあ組み込んでテストだ!といった所で……、

パリッ (フレキが抜ける音)

( д ) ゜ ゜

ここから苦難は始まりました。それについては次回で。

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