NV-FS900修理 おまけ その1
2006.1.3(2005.11.12〜2005.11.13分)
1, Class AA Circuit
メーカー修理から引き取ってNV-FS900の修理が完了したのが2005年11月7日でしたが、NV-FS900が帰ってきた途端に安心してしまい、修理関係のコンテンツが止まってしまいましたm(_ _)m。
帰ってきてから気付いた事ですが、NV-FS900、Class AA回路を積んでるんです。これは見てビックリしました。それがこの写真。

ちょっとボケてて見えにくいかと思いますので、以下に記しておきます。
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AUDIO BLOCK
CLASS AA CIRCUIT
HIGH-SPEED LIMITER
AUDIO ISOLATED POWER TRANSFORMER
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ビデオデッキにClass AA回路を積んでるとは本当に驚きです。うちにあるのでは、Audio系ではチューナー(ST-G99V)、アンプ(SU-V900)がClass AA回路を積んでいます。
そしてCDプレーヤー(SL-PS70)はMASH回路を積んでいます。ビデオデッキでは、NV-BX25やNV-BS30SがMASH搭載しています。
Class AAとMASH、どっちがより高音質なのか、とかそういうのは私にはまだまだ分かりません。そこまでは耳が肥えてませんが、とにかくそういった回路を積んでいるというのが凄いと正直思いました。
ただ、残念なのは、折角Class AAを積んでいるんだから、このロゴ
を貼って欲しかったってのがあります。
2, VCRのコンデンサ貼り替え
第3回にあるようにアレだけ部品を交換しましが、中には再利用できるのもあるんじゃないかと思い、そういうのは少しずつやって行こうという事にしました。再利用できそうなのは、
No. | 部品名 | 型番 | 備考/再利用の可否 |
1 | ビデオアツカイ | VXL2088 | SSブレーキアーム/不可 |
2 | プレッシャーローラー | VXL1858 | 削れば可(多分他のデッキに使用) |
3 | メインカムギヤ | VDG0574 | 不可 |
4 | ゴショウキョボウシSW | VES0486 | 不可 |
5 | ローター | VXP1113 | 削れば可? |
6 | ビデオアツカイ | VXP1050 | センタープーリー/不可 |
7 | ビデオアツカイ | VXA4076 | サイドプレート右/接点掃除で可 |
8 | IC | VCR0299 | コンデンサ貼り替えで可 |
9 | IC | VCR0389 | コンデンサ貼り替えで可 |
10 | デンゲンキバン | VEP01416A | コンデンサ貼り替えで可 |
う〜ん、ネスカフェ。結構再利用できそうです。次回修理に出した時に部品が無いって事に備えてとか、あったとしてもそれを入手するまでの繋ぎとして再利用品を使うとか、他のデッキに使うとかそういう使い道がありそうです。
まずはいつものお約束のハイブリッドICのコンデンサ貼り替えをやってみました。貼り替え前の写真はこちら、第3回に使ったのと同じ写真です。品番は、後ろにある箱は新しいやつが入っていたやつなので、品番の後ろにSだのAだの付いていますが、古いのには付いていません。

左側のVCR0389はコンデンサの周りをボンドでがっちり固められているのが分かります。最初は、これを剥がしてからやるのウザイなと思っていましたが、このボンドがコンデンサが噴いた電解液から基盤を守っていたのか、コンデンサを剥がした後ボンドを剥がしていくと、パターンが非常に綺麗でした。パターンを剥がす事は無く、いつものように古いハンダを吸い取って、そして後でコンデンサを付けやすいようにプラス極にだけハンダを盛っておきました。
そして、VCR0299の方も同じようにコンデンサを剥がし、古いハンダを吸い取って置きました。VCR0299だけ全部コンデンサ剥がした後の写真を撮ったので公開。この時はパターンを剥がしたのが3箇所しか無かったので楽勝かと思われました。でも後で、大変な事が起こったんです。全ては古いハンダを吸い取ったのが間違いでした。

後で思えば、VCR0299のパターンが銀色である事、そしてVCR0299をアルコールの付いた綿棒で拭いた後でもコレだけ汚い事に注目すべきだったのかもしれません。
なんと、コンデンサを付けやすいようにいつものように片方の極のパターンにハンダを盛って行くと……、
パチッ!
嫌な音がしてハンダが乗りません。それを何回か繰り返し何とか無理やりにでもハンダをのせようとしていきます。その度に余計乗らなくなっていくのです。ハンダの熱を加えてパターン(基盤)を暖めそしてハンダを乗せていくというセオリー通りにやればやる程ハンダが乗らなくなっていく……。
そこで一回諦め、ハンダを吸い取っていくと、
パターンが、無い。
ウゾダドンドコドーン!!
これ以上やるのは危険だ。本当に100%無くなってしまったら最後の手段の「取り出しポイントを探す」事さえ出来なくなってしまう、と言うことで、取り出しポイントを探すことに切り替えました。幸い、上の写真で茶色く見えるところは殆どマイナス極なのでNV-BX25のVCR0328をやるときに覚えた方法で、鋏でゴリゴリ被覆を削ってパターンを出し、そこにコンデンサの足を取り付けていく方法を取りました。そしてプラス極は元の所から取るのを諦め、取り出しポイントから取る事にしました。
マイナス極を削り、銀色のパターンを出し、ハンダごてを当ててハンダをつけた瞬間、
パチッ!
再び嫌な音。そしてハンダが上手く乗らない。ハンダを吸い取って見てみると、また、
またパターンが、無い。
ウゾダドンドコドーン!!
パターンの融点が低く、ハンダの熱で溶けて(ハンダと合金となってしまい)パターンが無くなってしまうのだろうか……。それともパターン自体がハンダで出来てるのだろうか……。新たな疑問が出てきました。
それでも何とか上手く付けられたので、写真を取っておきました。

ここで取りあえず作業終了です。というのは、コンデンサが無くなってしまったので。因みに使ったコンデンサは、
VCR0389(写真右)
左から47μ/5V、同、4.7μ/25V、同、の所を
47/16V、同、無し、無し、
で終了。
VCR0299(写真左)
上段左から右へ、47μ/16V、22μ/12V、4.7μ/25V、47μ/16V、
下段左から右へ、10μ/16V、4.7μ/25V、10μ/16V、4.7μ/25Vの所を、
47μ/16V、22μ/16V、無し、無し、
10μ/16V、無し、無し、無し、
で終了。
でした。一応テスターで通電確認はしていますが、全部コンデンサが付いた時には、どんな格好になっているのだろうか、そして本当にこれでNV-FS900本体に組み込めるのだろうか(特にVCR0299)と不安になりました。
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