NV-FS70修理 第3回〜電源基盤修理-その2
2010.4.13 (2009.10.18〜不明)
前回、電源基盤のコンデンサを交換しましたが、電源ケーブル挿した瞬間にヒューズが飛ぶという症状は改善されませんでした。
となると、考えられるのは、
1, 1次側のコンデンサが劣化→電流の平滑がきちんと行われなくなる。
2, 1,により、ダイオードか抵抗が損傷。
3, 大電流が流れるようになりヒューズが飛ぶ。
となると、責任病巣であるコンデンサを交換しても直らない事が判明。
怪しい部品は徹底的に調べないといけなくなりました。
1, 電源復活
幸いスペアとしてコンデンサを交換したNV-FS900の電源があったのでこちらと照らし合わせて同じ型番の部品がないか確認しました。早速ありました。こちらです。

STR D6004X
このスイッチング電源に使われているスイッチング素子の様です。これの抵抗を正常動作していたFS900の物と比べてみると、抵抗を示さないピンがあったので、この素子が死亡したと断定です。
更にこの写真に写っている抵抗(酸化金属抵抗)も抵抗値を示さなかったので、交換する事にしました。
No. | 抵抗値(Ω) | 規格 | 誤差 |
R10 | 39 | 2W | J |
R11 | 18 | 3W | 5% |

とりあえず他にも使うだろうと思い5本ずつ入手しました。
そして、NV-FS900用電源からSTR-D6004Xを借り、酸化金属抵抗を交換後電源を繋いで見ると……。
キュ(←スイッチング素子の音)パンッ!!
(;× Д×)<!!!
スイッチング素子が働くようになりましたがまたもやヒューズが飛びました。
もう手当たり次第抵抗を調べ……。
見つけました。

これですっ。STR D6004Xの隣においてある四角いもの。ダイオードです。上の電源基盤はNV-FS900のモノ。コンデンサを交換後、控えとしてとっておいてあります。
S1WB S4094
このダイオードが逝かれていました。その為、これもNV-FS900の電源から借りてきて……。

電源が入りました!!
2, もっと慎重にやれば……
電源が入ればしめたもの。このまま一気に行ってしまえという事で、まずは画面がどう出るかチェックしました。前面パネルは外してあるので、リモコン操作のみでやりました。
画面、音は問題なく出ました。ただ、何となく汚い。やっぱりHICの寿命が近いか?と思ったのでY/C Packを目指します。
Y/C Packに行く前に分かっているSURVO PACKのコンデンサを交換します。

この基盤の中央よりやや左側に鎮座している水色のコンデンサ。これが劣化するとコントロールトラックの情報を読みに行かなくなるとの事なのでサクッと交換します。

C46:47μF 10Vですが、手元にあったKMG 47μF 16Vに交換しました。

そしてSURVO PACKを取り外した状態のメイン基盤。この基盤を穴の開くほど見ていると……。
ありました。SURVO PACKについていた水色のコンデンサと同じものが!!

No | 容量(μF) | 電圧(V) | 旧種 | 新コンデンサの詳細 | 備考 |
C6 | 33 | 16 | ?? | 日本ケミコンKMG | |
C31 | 47 | 10 | ?? | 日本ケミコンKMG | |
※ C30は未交換です。
この様に交換しました。
そして、もうお約束のY/C Packへと行きます。
メイン基盤から分離したY/C Packはコレ。

中央に載っているVCR0389の表面実装コンデンサが噴くことで有名です。

分離しました。見た目は噴いてる感じはしません。実際に画面は出ていた訳ですし……。

しかし、コンデンサを破壊してみると……、マイナス極側が錆びています。やはり死に掛けていたようです。このHICは交換されたものでは無い(買ってから一度も交換していない)様なので、NV-FS70は物によってはHICより電源が先に逝く様です。
私が昔使っていたNV-FS70は先にHICが逝った様ですが。

ハイ、交換完了です。左上に見えるのは、既にコンデンサ交換済みのNV-FS900のVCR0389です。これを見ながら作業しました。背の低いタイプのコンデンサでは無いのでこういう形になりました。
容量は左の2本が47μF、16V、右の2本が4.7μF、50Vのコンデンサを使用しています。

ハイ、元の基盤に戻しました。これで完全に画面が出るね……。と思って電源を入れ、テープを走らせると……?
画面真っ黒!
しかも、
VHSテープを入れるとS-VHSランプは消灯しますが、なぜか再生すると点灯する!!
なんて事が起こってしまいました!
一気に作業してしまったので、何処に原因があるのかわかりませんっ!折角NV-FS70復活が見えたのに、大きな壁に当たってしまいました。
教訓としては、作業一つやる毎に動作確認をする事です。
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