NV-BX25 2号機修理 第2回〜苦戦の末
2005.10.30〜2005.11.3
1, テスト
とりあえず一通り眺めた後、動作確認をしてみました。ピンチローラーがテカテカなのでちょっとテープ噛んだりとかが心配でしたが、どの程度画像が乱れているかをチェックしておきたかったので・・・。
端子を繋ぎ、電源入れるといきなりおかしいです。
ブルースクリーンにならない。
本来ならば電波が入ってきていない状態であればブルースクリーンになるはずです。NV-BX25の1号機の最初のテストの時も画像でない時はブルーになってますよね。
そして、テープを入れてみると・・・・。
画面真っ黒・・・・・・
これって凄く乱れてるっていうより、画像が出ないんじゃないの?
しかも、初体験、HiFi音声が出ない!! なんておまけつき。これはとんでもない機体に当たってしまったのではないかと思いました。
2, ビデオアツカイを止めている金属板・・・・
最初に底板を外し、SSブレーキアーム (ビデオアツカイ : VXL2088 500円) の交換をする事にしました。ビデオアツカイには大量の埃がべっとりついており、とても使える状態ではないです。殆どブレーキが利いていないかもしれません、そんな状態で他を直して使い続けていてもきっと何処かで不都合を出すでしょう。そこで交換する事にします。

この写真に示したように最初に、黄色い丸で囲んだビスを外して、テンショナーを外します。そして黄緑の丸で囲んだビスを外して、ビデオアツカイの付いた板を外そうかと思いきや・・・。
異常に固くて外せない・・・
1, ドライバーは無理だったのでプライヤーで横っ腹を掴んでまわす
↓
×
2, 根元にCRC556をしみ込ませてプライヤーで掴んで回す
↓
×
3, 2,の状態で、ドライバーを挿し込み何回か打ち付けた後回す
↓
×
4, 更に叩いた後、プライヤーで回す
↓
×
どうやってもダメだったので、諦めモードに入ってしまい、この金属板を無理やり曲げてビデオアツカイを交換しました。で、元に戻したのですが、曲げた金属をそのままの状態で元の状態に戻せる訳無く、少し曲がって浮いた状態になってしまいました。その為、常にビデオアツカイがモーターに触れてる状態になってしまいました。
最悪、この金属板を金属を切断する鋏で切断して取り外し、この金属板とビスを注文する事も考えました。しかし、部品が無かったらどうするの?部品が無かったらこのデッキは2度と蘇らない事になります。1号機を諦めて1号機から部品を持って来たら1号機が蘇らなくなります。
そんな事をする訳には行きません。
掲示板で質問したり色々やりました。そして、ダメで元々という気持ちで、
ドライバーに全体重をかけ、ドライバーをプライヤーで回すという事をやる事にしました。もし失敗したら、一発でビスはアウト。この機体は修復不能で部品取りです。
バン!
音と共にビスが回りました。こうなればしめたもの。やる気が出てきました!ちょっと引っかかり感があったので何回か締めたり緩めたりして引っかかり感を取りました。もしかしたら少し錆びていたのかもしれません。
新旧ビデオアツカイを比較してみます。古い方は真っ黒ですね、しかもあぶらぎってる。そしてプライヤーを使って曲がっていたのを元に戻しておきました。

そして、センタープーリー、モーター、コックドベルト、テンショナー、その他ギヤ等をアルコールをつけた綿棒で掃除しておきました。この辺の部品はグリスがのってないところですがどれもかなり脂っこかったですね・・・、どういう環境にあったのだろう。

前回の写真と比べてみてください。綺麗になったでしょ。因みに下の写真はビスとの格闘の跡です。

3, 回路の整備
画像が出ないということは、まあ、今までの機体と共通の故障でしょう。というわけでY/C Packを目指します。ばらし方は今迄と同じなので省略します。

この機体はどうやら前オーナーの手は入っていないようです。この写真では良く分かりませんが、ハンダクラックが入り始めていました。あと、NV-BS30Sの時と同様、基盤の足が何本か曲げて取り付けられていました。それはNV-BS30Sの時と同様、半田ごてを当てながら真っ直ぐに直しました。
そしていつものY/C Pack。

フラッシュが反射して見にくいですが、中央のシールドケースに入ってるのがVCR0328。そして右端に表面実装コンデンサをが見えますが、そのパーツがVCR0327です。この2つを対策します。VCR0328の左の足の長いHICに付いてる表面実装コンデンサも汚くなっていましたがとりあえず放置しておきます。

写真では分かりにくい(ってか分からない)ですが、かなり足が腐食していました。NV-SX10の2号機のコンデンサを剥がす時に使った小さいニッパーで気をつけながらコンデンサを剥がしましたが・・・・・。

この通り・・・・・・○| ̄|_
幸い、一番大きい47μFのプラス極(マイナス極は半分剥がれた)とその右隣の10μFのマイナス極は完全に残せました。私はパターンを追い駆けて信号取り出し口を探し、そこから取るというのが苦手(というか、一つの所から複数へ信号が出ている事も考えると基のパターンを生かすほうがいいと思います)なので、0.5mmでもパターンが生きていればそこから取る事を考えます。ただ、普通にハンダを盛ってもまず付かないので、そういうところには、NV-BX25の1号機でやったように鋏でゴリゴリ削ってパターンを出し、コンデンサの足を寝かしたりしてハンダが乗るようにしたりブリッヂさせます。それでも無理な場合取り出し口を探して、とやります。
意外に使えるのがスルーホールの穴ですね。
そしてコンデンサを乗せ変えたあとの写真がこれ。

シールドケースに入りきらなくなったので裸のまま付けました。尚、コンデンサは、一番大きな47μFと10μFには105℃耐温のを用いました。残りの47μFには小型のもの(耐温85℃)を用いました(早く使い切りたいので)。VCR0327には22μFで105℃です。耐圧はいずれも16Vです。
これで採りあえず画像は出るようになりました。NV-BX25の1号機、NV-SX10の2台よりも綺麗に出ます。しかし、HiFi音声を認識しなかったり(ノーマル音声のみが出て来る)して不安定です。
4, HiFi不調の原因は?
メカ部分の掃除をしてみる事にしました。ヘッドの周りについてる埃、録画ヘッド、NV-BX30Sの時にいじったコントロールトラックを読むヘッド、そして各種アームをアルコールをしみ込ませた綿棒で拭きました。すると少しはよくなったかな?と思ったけど気のせいでした。やっぱりHiFi音声は不安定。レベルメーターを見ると左右マークが点滅します。
これはもしかして音声基盤の異常では???と思いました。その辺を見ていかないといけないですね。と思ってヘッドフォンを外してみると(テスト中はヘッドフォンで聞いていた)・・・。
ブーーーーン
なんとも嫌な音が聞こえてきます。再生を止めても鳴り続けています。テープを取り出すと(ヘッドの回転が止まると)おさまりました。
もしかして原因はヘッド(の回転不良)ですか??
次回は音声基盤、ヘッド、両方を見ていきます。
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