Windows XP再セットアップ 第1回
2006.5.22
1, はじめに
PCはデジタル(digital)の塊です。さて、デジタルと聞きますと、どういう事を連想しますか?
○ 010101010101……つまり、0と1の集合体
○ アナログと違ってコピーしても劣化しない
○ 複製が非常に楽
等など色々あるかと思います。CD-R、MDやiPodがカセットテープを、そしてDVDやHDDレコがビデオテープを駆逐していったのはそういう理由があるからです。
でも、デジタルの最大の欠点は、
飛んだら一瞬でパー
という事です。あれ?アナログと違って劣化しないんじゃなかったの?と思ったかもしれません。そこがデジタルの難しいところです。
確かに、デジタルのデータ自体は信号化されているので、コピーを繰り返しても劣化しない筈です。しかし、それを入れておく入れ物がまだまだ未完成なので入れ物、つまりHDD、MO、CD-R等が壊れたらパーになってしまうのです。また、コピーする時にきちんとコピーされていなければ受け取った側はデータが壊れた状態になって読めません。
覚えがあると思います。メールで友達から写真を貰ったり音楽を貰ったりした時……、
そのファイルが読めなかったって事
そういう事ありませんでしたか?
まあ、読むためのソフトがないから読めないって事もあると思いますが、送られたファイルが壊れていたから読めなかったって事もあると思います。
デジタルはデリケートなものです。例えば、1GBのファイルがハードディスク内に入っていたとします。ハードディスクの中ではセクタという単位でファイルが管理されていますが、セクタ1つが例えば4kBだったとして1GBのファイルは単純に考えて約250,000セクタ使っていることになります。そのセクタ1つ、この場合は全体のたった25万分の1が壊れただけで読めなくなるのです。
さて、そういう事がWindows本体で起こったらどうしますか?
2, PCが不安定化したらまず電源を疑え
人間油断すると事故に遭うとか良く言います。私も油断していたのでしょうか?当HPでもPC部屋は更新停止し、あと2〜3年はPC部屋やる事ないな、と思っていた所でありました。PC雑誌も殆ど読まず、音楽活動、オーディオ、そして自動車の方に気持ちを持っていってたのであります。
5月20日土曜日。夜勤から帰ってきて寝る前にいつもの様にネットを見るためにPCの電源を入れると……。おかしい。

ブレていますが、BIOS起動画面です。

ブレていますが、Windows XP Professional起動画面です。
ここまではいいのですが、このWin XP起動画面が出た後に画面が黒くなりますよね?その後にログイン画面が出ますが、出ない。HDDはカリカリ動作している……。そして……、
ストン
落ちた……。そして最初に戻ります。それを繰り返したのです。まあ、急に暑くなったからちょっと電解液おかしくなったかな?と思い、とりあえず寝ました。
ちょっとPCの調子悪くても少し時間を置けばまた動いてくれると言うのはよくあることだと思います。このマシン、2号機の「Mouse Computer EASY-700A nForce@ブロードバンドモデル(改)」は(改)になる前、電源トラブルを起こして電源交換した事があります(その間に色々あり、CPUやMBも変えているから(改)なんですね(笑))が、電源交換前、うまく電源入らなくてもリセットを何回もすればそのうちWindowsが立ち上がってくれる、という事がありました。そういうわけで、起きた後にもう一度起動する事にしたのです。
しかし、今回は暫く置いても何をやってもWindows起動途中で再起動してしまいます。
今はオブジェと化している1号機(TQ-2000モデル)をPCからオブジェに転落させたのも電源が原因でした。そして2号機の前回のトラブルも電源。そう来たらまず電源を疑います。よく、PC関連のHPでも「電源を疑え」って言われますしね。

てな訳で開ける
左上が前回トラブル時に交換した電源です。下側にファンが付いていて、CPUからの熱を吸い取ってケースの外に吐き出してくれます。コレが意外と静かで元々付いていた電源よりも排熱性がよいにも関わらず静かなんです。

拡大してみました、埃がすごいですね。
この時、マザーボードのCPU周りにコンデンサが付いていますが、このコンデンサを注意深く観察しました。CPU周り等のコンデンサが噴いて動作が不安定になる事もあるからです。まあ、タコなコンデンサを使っていた時代のマザーの話で、かつASUSのマザーではあまり聞かない事ですが念の為。

電源を取り外してみました。前回トラブルの時に買いに行ったのですが、その時、
「いい電源を下さい」
と言って買って来たのがコレでした。まあ、2004年末に買ったものですし、毎日使っていたから壊れるのも仕方ないかな、と思いながら蓋を外しました(ファンが付いていますね。この面です)。後で気付いた事ですが、メーカー保証3年もあったんですね。まあ、蓋を止めているシールをはがしちゃいましたからもう無効ですが……。

そしてテスト。HDDとマザーボードだけに繋ぎ、CD-ROMやFDD等は切り離しました。最小構成+HDDでのテストです。
やはり、結果は同じ。
この時に電源のコンデンサも観察しましたが、別段噴いている様子はありませんでした。しかし、容量抜けしてたりすると、見た目からは判断できないので、テスターでチェックする事にしました。
マザーボードの説明書とあわせつつ、テスターをぶち込む。
いいのか悪いのかわからない。
そこで、電源を買ってくることにしました。
3, 電源交換〜意外な結果

いきなり写真です。コレが買って来た電源。エバーグリーン製です。略してエバグリ。エバーグリーンって良く聞く気がします。姉妹サイトのこちらで扱ってるアニメにもエバーグリーンって名前のバンドが出てきましたし。
で、あけてみます。

電源の進化、って物を感じました。昔は後面(ケーブル挿す所ですね)はケーブル挿す所があり、そして丸くくりぬかれてそこにおまけのようにファンが付いている感じでしたが、これはケース内の空気を大型ファンで吸い取ってそのまま排出するため、後面全面がメッシュ状になっているスゴイ設計です。電圧切り替えスイッチとケーブルコネクタ以外は全面です。
大型ファンを使うことによって風量と静音、両立しているのです。
そして、この電源をマザーボードに繋ごうとしたら……、
2、24pin用???
コレはえらい失敗したかと思いました。たしか24pinは20pinの上位なので互換性はあるはずだと思い、付けようとした所、

ズレた。
そして箱や説明書をよく読んだら、20pinも対応って書いてありました。良かった良かった。はい、良く読みましょうね。

本体に組み込みました。うーん、電源だけが新しいのがすぐに分かっちゃいますね。他は何か設計が古臭いっていうか……。2002年に買った廉価機種だからしょうがないでしょう。
で、これでRun!
やっぱりダメポ……○| ̄|_
原因は電源ではありませんでした。
今までの電源、Antec TruePowerシリーズ TRUE380 (380W)は、まだ使えるという事なんで、予備電源として取って置く事にしました。
4, 電源でないとなると次に疑うべきは
マザーボードのコンデンサの容量抜け等疑うべきものは沢山ありますが、マザーボードの時期と製造メーカーから考えるとマザーボードのコンデンサがを疑うよりももっと疑うべきものがあります。
HDD (ハードディスク)
です。ハードディスクは酷使すると結構壊れます。CPUのように電気が通ったり切れたりしているわけではなく実際にモーターが回り、ヘッドで記録したり消去したりしているわけですから可動部が多く、その為故障するのです。
思い出してみると今までも3台はクラッシュさせています。
とりあえずWindowsの起動で引っかかってるわけですからシステムの入っているCドライブは間違いなく壊れているセクタがある筈です。最初に書いた事を思い出してください。セクタ一つ壊れただけでうまく動かなくなるんです。
ソフトを格納したDドライブ、データを格納したEドライブは、見た目別ドライブですが、1台のハードディスクの中のパーティションを分けただけ、つまり大部屋に仕切りをつけてあたかも別の部屋にしただけのものと思ってください。そんな状態なので、ソフトは面倒だけど再インストールすれば済みますが、データは失ったら二度と戻りません。ハードディスクが完全に再起不能になる前に、データをすい出す必要があります。
新しいHDDにデータを移すためにデータを吸い出す訳ですが、そこでまず考えたのが、修復セットアップしてWindowsがとりあえず動くようにしてデータ救出。しかし、修復セットアップの途中でエラーが出てダメでした。
次に、CドライブをフォーマットしてクリーンなWindowsを入れてデータ救出。これも、フォーマットの途中で止まりました。

17%より先にどうしても行きません。なのでこの方法もダメでした。
となると、他に動くPCを用意して、それにこのHDDを繋げてデータを吸い出す方法しか残りません。
私は使っていないPCなんて持っていませんでしたが、姉がPC1台使っていなく、貸してくれたのでそれに繋げてデータを吸い出す事にしました。その前にエラーチェックを掛けておくと(完全で)……、
エラー出まくり!!
やっぱりHDDがおかしくなっていたのでした。それで吸い出しましたが、何とか必要なデータは吸い出せました。後は新しいHDDを買ってくるだけです。
5, 新HDD

新宿のビックカメラへ行ってHDDを買ってきました。バッファロー製のです。とはいっても中身のHDDは、WD、Seagate、日立、Maxtorのどれかですけどね。ソフトが3つ(ファイルコピー、パーティション操作、データの暗号化)付いてくるという事でバッファロー製にしました。容量は今となっては少な目の80GBです。私はPCをAV機器として使っていないし、仮に使おうと思ったとしてもこのPC(2号機)ではやりませんので充分な容量です。

HDDを取り出してみると、メーカーは、
Western Digital
型番は、
WD800BB
でした。最近雑誌見てないから、これが今出てる中で早いのか遅いのかとかは分かりません。これから読むことにしよう。WD製のHDDは初めてですね、今まではQuantumからの流れでMaxtorを買ったりIBMからの流れで日立を買ったりしていましたから。

そして2号機を買ってから今日まで休まず働いてくれたHDDにお疲れ様、という意味を込めて写真を撮りました。Maxtor製です(D54DX-4K?)。モデル名から5400回転と推測出来ます。因みにコレの速度は1号機が現役で働いていた頃に付いていたIBMのHDD(IBM DTLA 307020/7200回転)とそれ程変わらない早さでした。今回のWDのWD800BBはどれくらいの早さでしょうか。7200回転ですし、DTLAや今まで付いていたHDDよりもずっと新しいだけに楽しみです。

そして、姉から借りたPCに繋いで(データ吸出しの為に繋いでいた旧HDDを外して繋ぎ替えた)起動した様子を撮ったのがこの写真。この後、このディスクにシステム(Windows)を入れますが、その前に下拵えをする必要があるので、その為にこうやって繋いでいるんです。
下拵えについては第2回で書きます。
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