コラム008
AV機器再構築〜その3 『我が家にFMチューナーがやって来た』
2011.3.6
前回の記事で書きましたが、1990年頃から(要は新品の時から)長くチューナーとして活躍していたST-G99VのFM部が故障してしまい、メーカーに修理に出しましたが、修理不能となってしまいました。
最近FMに興味が出てきただけに残念に思いましたが、もう手放すしかないのかな…?オークションに出そうかな?と思っていた所、某スレでよく名前が出てきていたこちらの方に譲る事が決定しました。
ST-G99Vはこんなチューナーです。class AA回路を積み、音質も良いチューナーでした。

それと同時にオークションでチューナーを物色。いつもの様に中古の入れる機材を決める時は、修理の対応が良い事を条件にメーカーを決めます。いくらいいものを作っても、壊れた時に修理できないのでは意味が無いのです。Panasonicは電機メーカーとしては非常に良い対応だと思いますが、ピュアオーディオとして考えるとまだまだ不満なのです。
私的には、ピュアオーディオというものは簡単に買い換えるものではなく、20年ないしは30年は使い続けるものだという認識なので、「壊れたら修理できません、買い換えて下さい」という対応をされるのが一番困る訳です。某"ソ"の付くメーカーみたいに。
そこで選んだのが、前回の条件+それを満たしながらそこそこ新しい製品という条件を満たす……
Pioneer F-777
に決定しました。
またPioneerですか?またなんです。もうT-1100Sの修理対応には感動してるんです。だから選びました。T-D7にしてもこのF-777にしても、「最後の3ヘッドデッキ」「最後の高級チューナー」、と他のメーカーがさっさと見切りを付ける中、最後まで頑張ってる姿勢も好感が持てます。
某オークションで18,000円で落札。こんな金額での落札だったので不安で一杯でした。その為質問をしまくり、それから慎重に入札し、競合無く落札。
そして直ぐにやってきました。


前後からそれぞれ見た様子です。デザインはST-G99Vのイカツサが気に入っていた身としてはちょっと物足りないですし、電源ケーブルがST-G99V、T-1100S、T-D7と比べてもショボイ感じですし、
○ 金メッキ端子
○ 他の機器への電源供給
○ 時計
も無いのでちょっと使いにくいですが、アンテナ端子は2本あり、AとBで使い分けられる(しかも放送局を記憶させる時、どっちのアンテナなのかまでも記憶してくれる)のと更に、F型コネクタで接続できるので外部ノイズに強い、というのが大きいです。これはアンテナを2本使おうとしている私にとっては非常に便利な機能であります。因みにST-G99Vでは、TVはF型コネクタでしたが、FMは同軸を裸で接続でした。
だから、前記の不満も何処かへ吹っ飛んでしまいました。

テストです。いきなりセッティングに入りたい気持ちを抑えて、まずはまともに動くかどうかのテストです。CATVからケーブルを引っ張ってきて接続し、きちんと入るかテストです。
元々65dB位の強度だったのを2分配し、さらに3分配しているので58dBまで落ちていますが、良好な受信結果で、音もよかったです。
CATVは周波数変換をして再送信しているので、83.1MHzと表示されていますがこれはNHK-FMです。
受信が良好だったので、ここからが本題です。

いきなり5素子や8素子を買わずに、とりあえずテスト的な意味も兼ねて買った八木アンテナ製 F-P2B-Bです。
というのは、うちにある程度コレ位の電波が来ているということが解った上で多素子アンテナを立てないと、徒労に終わる可能性があるからです。全く電波が来ていないのに8素子を立てても無駄になってしまいます。それなら、ある程度電波の状態を理解してから立てれば、F-P2B-Bで○○dB受信できるのだから5素子ならコレくらいはいけるだろう、とか予測を立てる事が出来ます。
まあ、もし室内でもある程度受信できれば天井にぶら下げとけとか思ったというのも有りますが(笑)。
そんな訳であまり利得のよくないこのアンテナを買ったわけです。勿論本命のアンテナを買った後はお蔵入りとなる予定です。
組み立てました。流石に位相差給電方式の横幅1.4m超えは大きい。コレが5素子になったら2m×2m、8素子になったら2m×3.2mになるんだから恐ろしい。まあそれだからやりたいんだけどさ。巨大アンテナが2本立つ家……www。

見た感じ八木アンテナの2素子(会社名ではなくアンテナの形の上での"八木アンテナ")と見た目は似ていますが、原理は全く異なるものです。素子が八木アンテナの様に真っ直ぐではなく前の方に向いているのも原理の違いから来ているのかもしれません。
そして軒下に取り付けました。向きは真西と北北西の間方向。

ここで注意しなければなりません。勿論アンテナの向きです。

宮ヶ瀬から東京タワーまでを結んだ線が赤線です。そして、紫のプロットが狙っている放送局の送信所。西から宮ヶ瀬レイクサイド、FMさがみ、調布FM、K-City、FM世田谷、SHIBUYA-FM、東京タワー、そしてプロットは打ってませんが東京タワーとほぼ同じ位置にRadio Cityが有り、葛飾FM、FM江戸川となります。この赤の線は東北東から西南西方向に向いています。
なのにうちのアンテナは真西と北北西の間??
とりあえずベランダが西南西方向を向いているので、その条件でFMさがみとFM世田谷を同時受信できる方向を探したらその方向になりました。つまり、東京タワー方向からの電波は反射波を取ってるのでしょう。西南西にアンテナを向けるとFM世田谷は全く入らなくなりますし、南西側に向けると世田谷は再び入りますが、今度はbay-fmが入らなくなります。その為全てを受信できるこの向きにしました。

この向きでNHK-FMを受信してみました。60dBとなかなか良好な受信です。東京タワーとは反対方向を向いているのにCATVとほぼ同じですね。やっぱりNHKは82.5MHzでないと落ち着きません(笑)。
受信状況を纏めてみました。利得が少ないアンテナなのでこの位が限度でしょう。アンテナはBにつなげたのでBのみです。将来はAに東京タワー、スカイツリー方面に向ける8素子を付けて、そしてBは相模原、宮ヶ瀬方面に向ける5素子に変える予定です。そうなった時どの様に変わるか今から楽しみです。葛飾や中央radio-cityは無理かと思いますが、江戸川や渋谷は入ってくるのではないかと思います。また、東京タワーからスカイツリーに送信所が変わったらradio cityも入ってくるかもしれません。
周波数MHz | 放送局名 | 方角 | アンテナA or B | 信号強度dB | 備考 |
---|
76.1 | Inter-FM東京 | 東北東 | B | 45〜60 | |
76.5 | Inter-FM横浜 | 南東 | B | 30 | 雑音有 |
77.1 | 放送大学 | 東北東 | B | 45〜60 | |
77.7 | FM大和 | 南東 | B | Lo | 受信不可 |
78.0 | bay-fm | 東北東 | B | 20〜25 | narrowで受信・雑音多 |
78.4 | SHIBUYA-FM | 東北東 | B | Lo | 受信不可 |
78.6 | FM-FUJI | 西 | B | 25〜30 | 三ツ峠:雑音多 |
79.1 | K-City | 東 | B | 20〜25 | 雑音多 |
79.5 | NACK5 | 北北西 | B | 30〜40 | 雑音有 |
80.0 | TOKYO-FM | 東北東 | B | 45〜60 | |
81.3 | J-WAVE | 東北東 | B | 45〜60 | |
81.9 | NHK-FM横浜 | 南東 | B | 25〜35 | 雑音多 |
82.5 | NHK-FM東京 | 東北東 | B | 45〜60 | |
83.4 | FM世田谷 | 東北東 | B | 20〜25 | narrowで受信・雑音多 |
83.6 | 宮ヶ瀬レイクサイド | 西南西 | B | Lo | 受信不可 |
83.9 | FMさがみ | 西南西 | B | 20〜25 | 雑音多 |
84.1 | FM-Salus | 東 | B | Lo | 受信不可 |
84.3 | FM江戸川 | 東北東 | B | Lo | 受信不可 |
84.7 | FM-YOKOHAMA | 南東 | B | 35〜40 | 雑音有 |
86.9 | ??? | ??? | B | 20〜25 | 雑音多 |

そして最後にオーディオ周りを大掃除して要らないケーブルを処分したりもしました。地デジ化した時からケーブルがゴチャゴチャしていてまとまりがなくなっていたり、前は知らなかったからとはいえ、3分配掛けていたりと無駄な事をしていたのでその辺の整理もしておきました。随分落ち着いたかと思います。
また、上のテストの段階では、T-D7の上にF-777を置いていましたが、F-777の方が奥行きがあり安定しているので逆にしました。
将来的にはオーディオラックをもうひとつ用意し、AV機器とピュアAUと(ラックは)分離し、機材の上に機材を直接乗せるという事は無くそうと考えています。
勿論NV-FS900の音声をプリメインから出したりはしますよ。
次回は5素子アンテナ取り付けの予定です。
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